クエン酸回路に入る前の反応であるアセチルCoAの生成について解説していきます!
クエン酸回路とは高校生物では必須の知識ですが実際にいかなる反応が起こっているのかなど深く理解するにはとても難しい分野です。そのためついつい暗記に頼ってしまいますがそれでは面白くない!そのためこの記事で少しでもクエン酸回路がただ暗記ではなく面白いなと思いながら勉強してもらえれば嬉しいです!
また生物を勉強するべきは高校生の生物履修者に限りません!自分の体の中で起こっていることだし、とてもとても面白い学問なのでどの年代の方にも学んでほしいのでそのための努力を私もしていきます!そもそもクエン酸回路ってなんだという方もいるかと思いますが今後体の中で起こる様々な反応系についてまとめたものも投稿いたしますので少々お待ちください。初めての投稿なので少し喋りすぎました、それでは本題に入っていきましょう!
クエン酸回路に入る前に重要な反応が1つあります。
ピルビン酸 + CoA + NAD+ → アセチルCoA + CO2 + NADH + H+
解糖系により得られたピルビン酸と補酵素であるCoAが反応することでアセチルCoAが生成される反応です。(解糖系とはクエン酸回路の前にある反応で体内に取り込んだ糖分であるグルコースをピルビン酸へ変換する反応系です。クエン回路の解説が終わり次第、解糖系の解説も投稿いたします順番が前後してしまい申し訳ございません)
まずCoAとは?
CoA:日本語で補酵素Aといわれ、その名の通り補酵素である。補酵素とは酵素反応の手助けをするものの総称である。高いエネルギーが必要な反応では補酵素が必要になる。次の記事で書くことになるがクエン酸回路の1番目の反応では縮合反応といわれる異種の分子同士が結合する反応であるため高いエネルギーが要する反応となり補酵素が必要となる。
なぜ”アセチル”CoAを生成する必要があるのか?
1番目の反応を見ていけばわかることだがアセチル基を縮合反応の際にある分子に結合させたいので補酵素にアセチル基がくっついている状態をまず作り出している。字が非常に汚くて申し訳ないがアセチル基の構造である。
それでは反応を見ていきます!
反応を手助けしているのは「ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体」。(複合体と書いているのは3つの酵素が1つになって共役しているため)
この酵素について少しだけ深掘りしていきます。
手書きは温かみがあっていいですね。E1、E2、E3は酵素名を一々書くのが面倒なので略しただけです。このように3つの酵素がありそれぞれに補酵素が働きながら反応が進んでいきます。酵素名の後半は機能によって同じ名前が使われ種類も多くないので出てくるたびに理解していけば初めてみる酵素でも大体の機能が予測できます!
デヒドロゲナーゼ:脱水素酵素、水素を離脱させる トランスフェラーゼ:転移酵素、一方の基質から他方の基質へと転移基を移動させる。今回の転移基はアセチル基
予備知識はつけたのでピルビン酸からアセチルCoAまでをガーっと解説してしまいます。まずは構造式で簡単に記した反応を見てみてください。
図を見ると補酵素とは実際に反応物と反応することで反応が促進するのを手助けしていることがわかりますね!
図ではE3が登場していませんがE3は反応により還元されたリポアミドを酸化し再利用するために酸化剤であるFADという補酵素を用いてリポアミドを酸化する働きをします。この反応に乗じNADHとH+が得られます。
以上のことを言葉で説明してみると、、、
E1によりピルビン酸からアセチル基とCO2が生成され、E2によりアセチル基がCoAへ結合されアセチルCoAが生成される。E2の反応により使用されたリポアミドを元に戻すためにE3が働き元に戻ったリポアミドとNADHとH+生成される。
以上より
ピルビン酸+CoA+NAD+ → アセチルCoA+CO2+NADH+H+ となる
クエン酸に入るための反応は、かなり大掛かりな反応であることが分かりました。高校生物を逸脱してかなり難しい内容であるので少しでも補酵素Aというものがどういうものなのかというイメージができればいいかなと思ってます!
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