今回からクエン酸回路内の反応に入っていきます。暗記ではなく理解する意識で勉強していきましょう!
反応① オキサロ酢酸からクエン酸を生成
酵素:クエン酸シンターゼ シンターゼとは:合成酵素、化合物の結合を手助けする酵素 →ATPやGTPの分解エネルギーを利用して合成する場合は”シンテターゼ”という
化学反応式を見て構造を見てみましょう!
(i)クエン酸シンターゼにより、オキサロ酢酸とアセチルCoAを結合します。この時アセチルCoAが勝手に酢酸とCoAへ加水分解されない工夫がされている。
(ii)CoAが持つチオエステル結合の加水分解によるエネルギーでクエン酸とCoAが生じる。
反応② クエン酸からイソクエン酸を生成
酵素:アコニット酸ヒドラターゼ ヒドラターゼとは:加水分解、基質の1つが水でもう1つの基質へ水を付加する。
シスアコニット酸は反応中間体です。中間体を経由させながら”-OH基”の位置を上へずらしている。(異性化)これにより構造が変わることで次の反応(反応③)で出てくる酸化的脱炭酸反応が起こりやすくなる。
「構造が変わる」について:この理由が正直説明しきれないが反応物にリン酸などをつけたり、今回のように分子の位置をずらすことで反応が起こりやすくなることはよくある(酵素と結合しやすくなったり、不安定になったりすることが要因かも。)
反応③ イソクエン酸から2-オキソグルタル酸を生成(4回起こる酸化還元反応の最初の反応)
酵素:イソクエン酸デヒドロゲナーゼ デヒドロゲナーゼ:脱水素酵素、基質から水素を離脱させて別の受容体に転移させる「脱水素反応」を触媒する。
上述した酸化的脱炭素反応が起こる。
(i)で酸化されH+を放出 and NADHを生成(H+は酸化的リン酸化で利用)
(ii)で脱炭素が起こりCO2が放出する